改正旅館業法で何が変わった?
旅館業法では、もともと伝染性の疾病などの限られた場合を除き、宿泊を拒んではならないとされてきました。2023年12月13日に施行された改正で、カスタマーハラスメントにあたる特定の要求を行った者の宿泊を拒むことができるようになりました。
厚生労働省が新たな拒否事由に該当する例として示しているのは、宿泊しようとする人が従業員に対して次のような行為を繰り返す場合です。
- 不当な割引、契約にない送迎など、過剰なサービスの要求
- 対面や電話などによる、長時間にわたる不当な要求
- 要求の内容の妥当性に照らして、要求を実現するための手段・態様が不相当なもの(暴言や威圧など)
あわせて、宿泊拒否が差別につながらないよう留意することも求められています。詳しくは厚生労働省の専用ページを確認してください。
2026年10月からは「従業員を守る措置」も義務に
旅館業法の宿泊拒否は「お客様を断れるか」の話ですが、改正労働施策総合推進法による措置義務は「従業員をどう守るか」の話です。方針の明確化と周知、相談体制、発生時の対応などを整える必要があります(5つの措置の解説)。
小規模な宿の備え
- サービスの範囲を明示:送迎の有無、チェックイン・アウト時刻、追加料金がかかるサービスを予約ページと館内に書く
- 夜間の連絡体制:夜はスタッフが少ないため、近隣のスタッフや警備会社への連絡手順を決める
- 電話の対応時間:長時間の電話は責任者が引き継ぎ、記録を残す
- 記録:「繰り返し」を判断するためにも、日時と内容を具体的に残す
- 掲示:フロントに「従業員への暴言・過度な要求はお断りします」と掲示する
その場での言い方
「送迎は承っておりません。タクシーのご手配でしたらお手伝いいたします」
「ご要望は承りました。これ以上のご対応は、責任者から改めてご連絡いたします」
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参考にした公的資料
- 厚生労働省「令和5年旅館業法の改正について」
- 厚生労働省「事業主が職場における顧客等の言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針」(令和8年厚生労働省告示第51号)
- 厚生労働省「令和8年10月1日から、カスタマーハラスメント対策、求職者等に対するセクシュアルハラスメント対策が義務化されます!」(リーフレット詳細版)
※この記事は公的資料をもとにした一般的な解説で、法的助言ではありません。個別の事案や就業規則への反映は、社会保険労務士・弁護士等にご相談ください。内容は更新日時点の情報です。